電圧均等化モジュール・蓄電源事業は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)特許をベースに共同開発(JAXA・JCC)した特許技術による蓄電装置の開発・製造・販売を行っています。今までキャパシタが使用できなかった領域やエネルギー変動の大きな自然エネルギー利用への展開が期待される『キャパシタUPS-J』シリーズ。この製品を生み出すまでのチャレンジストーリーをご紹介します。
新たな事業分野の模索
アルミ電極箔の開発・製造で養ってきた技術の強みを活かし、本業の周辺領域で社会に役立つエネルギー分野への可能性を模索していた2009年当時、JAXAから「電圧均等化制御技術」に関する紹介を受け、共同研究をスタートさせました。
通常、蓄電装置内では、複数の蓄電デバイス(数V/個)を直並列に接続する必要があります。しかし、単に蓄電デバイスを接続しただけでは、各々の電圧にバラツキがあり実用化が困難です。そこで、重要な技術が、各蓄電デバイスの電圧を均一化する「電圧均等化制御技術」だったのです。
宇宙技術を応用して、蓄電装置に革新を
JAXAとの共同研究の結果、蓄電装置のDC(直流)対応技術とAC(交流)対応技術を獲得しました。
蓄電デバイスの一つである電気二重層キャパシタは、「サイクル寿命の長さ、使用温度範囲の広さ、パワー密度の大きさ」を特長としています。
この電気二重層キャパシタに、新たに獲得した技術を取り入れることで、長期メンテナンスフリーで過酷な温度環境に耐えられる蓄電装置の開発に成功しました。
また、既存の蓄電装置と比べ、故障の原因となるファンやヒーターが不要なため、無騒音・無発塵で環境負荷も軽減することができます。
適用分野の拡大
新技術を導入した『キャパシタUPS-J』シリーズは、蓄電装置として、幅広い環境温度(-20℃~60℃)への適合と、超寿命メンテナンスフリーの特長を有しています。このため、現在の高度な情報化社会において益々重要となる電力監視機器・防災機器・通信機器・計測機器などの厳しい環境下に設置されるバックアップ用電源としての活用が期待されます。